歌謡ドラマ『再会』 第７部 飛びます／山崎ハコ
２００４年１１月２１日（日） ６：３０〜１３：００ 日立港沖堤防
まなみ： ごめーん、待った〜？仕事が長引いちゃって。
紀 香： ♪何のために今まで そしてこれからも 生きているのか わかったような気がします
いいんです 報われなくても 言葉に出したくなくても
この思いは 本当の私だからです♪
まなみ： （ゲッ！ ヤバッ！ 居酒屋の中なのに、小声で山崎ハコ歌ってるし。おまけに目がすわってるし。）
紀 香： 念のため言っとくけどね、私は彼ィハンターなんだからね！
ちょっとぉ、わかってるの！？ アナゴハンターじゃないんだからね！
まなみ： （うわ〜、最悪。もうすでに出来上がってるし。来なきゃ良かったわね、残業だとか言って。）
もちろんわかってるわよ。今シーズンは好調みたいじゃない。
ところで何飲んでるの？私はビールにしようかしら。
紀 香： ビールなんかやめなさい！ 今日は菊姫の山廃純米があるから飲んだら。
わたしはもう５合目よ。
まなみ： （ゲー！もう５合かよ？ まいったわね）
そう、それじゃ 「すいませーん、菊姫の山廃純米を私にもお願いしまーす。
それから、お刺身盛り合わせをひとつお願いしまーす。」
紀 香： 居酒屋の刺身なんか食ってんじゃねーよ！ 刺身は自分で釣った魚を食うべし！
まなみ： （からむわね〜。とにかく今日はさっさと帰すしかないわね）
そ、そうね。すいませーん、お刺身取り消しお願いしまーす。
替わりにチゲ鍋お願いしまーす。
ところでどうだったの？今日の日立港沖堤防は？
紀 香： アナゴ君、５本よ。 もう、飽きたわよ。
アナゴを釣るのも、さばくのも、食べるのも、アナゴネタで日記を書くのも、ぜーんぶ
遠い世界の出来事にならないかしらね。
まなみ： あなたは幸せよ。だって、アナゴを持ち帰っても家族から「大漁ね、おめでとう」とか
「アナゴは美味しいね」とか「またアナゴ釣ってきてね」とか言われる家なんて
めったに無いんだからね。
この際だから、『生涯アナゴさばき数記録』を伸ばして、殿堂入りを狙ったら？
紀 香： なによ、その『殿堂』って？ いいかげんな事言わないでよ！
まなみ： （ヤバッ！ フォローしなきゃ）
それに大丈夫よ、あなたならきっと釣れるわよ。今シーズンは５０ｃｍオーバーの
彼ィさんが、日立港や大津港や中之作や小名浜であなたを待ってるわ。
紀 香： 小名浜？ 小名浜って言ったわね！
今日、いわきの佐藤君から書き込みがあって、６人で４０枚釣ったらしいわ。
ひとり平均６〜７枚じゃない！！！
４日前に私がかろうじて１枚だったっていうのに！
何が違うって言うのよ！ ポイント？ 餌？ 潮？
あなたも私の腕が悪いと思ってるんでしょ！ はっきり言いなさいよ！！
まなみ： （やぶへびね。いいかげんにして欲しいわ。これじゃいつもと反対じゃない）
そんなこと無いわよ。単なるめぐり合わせよ。運が悪かっただけよ。
来週はあなたが爆釣よ。ぜったいよ。私が保証するわ。
ところで、そろそろ帰らない？
明日は社員旅行で朝４時起きなのよ。
紀 香： わかったわ。釣りに行くなら何時でも起きられるけど、仕事がらみじゃ早起きは
嫌だわね。
ところでさっき歌ってた歌なんだけど、最後のフレーズ忘れちゃったわ。
あなた知ってるでしょ。ちょっと一緒に歌お！
まなみ： （なんで居酒屋の中で私まで山崎ハコ歌わなきゃならないのよ！
まさか知ってる人いないわよね、キョロキョロ）
わかったわ。泣けるわね〜。
♪いま私は 旅立ちます 自分の心に向かって 飛び始めるのです♪
（、、、なんだか尻つぼみね〜。）
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